ドロバチ科(又はスズメバチ科ドロバチ亜科) 35種 工事中  狩バチ表紙

スズメバチ

ベッコウバチ

 ドロバチの分類は幾つかの説があり、分科、統合など諸説紛々、トックリバチなどは見直しがされ、名称変更もあり、インターネットで検索すると、新旧様々な名前が使われている。ドロバチ類の写真は多く収集でき、全てを見直してみると個体差が大きく、ただ単に個体差と割り切れない個体も数多く出てきた。斑紋などで分類していくと同型の個体が幾つも揃い、幾つかの既存種の特徴を持ち備えた、混血を思わせる個体も出てきている。ドロバチのみならず、混血と想像させる個体は多岐にわたり、個体差と割り切らず、仮称で呼ぶことにした。尚、仮称の個体も種類数に含めて計上している。写真下の記号は撮影日 =2005〜Z=2014/1〜C=12/01〜31日仮称については頭に(アラカワの略)を付けて命名している。

ドロバチ

ツチバチ

トックリバチ

アリ

フタオビドロバチ

その他の狩バチ

ドロバチ類8種

フタスジスズバチ 

U515-1

 ドロバチの種類は、混血種と推定した種類を含めるとけっこう多くなり、比較しやすくするよう、できるだけ多くの個体、幾つかの角度の写真を表紙の段階で並べた関係で個体数か多くなり、表紙を3分冊にして紹介することにした。

 フタスジスズバチは、荒川では数か少なく、10年で3度の出遭いであり、3個体の写真を見比べてみたもののオス、メスの区別がつかなかった。ドロバチとすると大きめで、体長は15ミリ以上あり、細身なので細長く映る。写真からすると、5月と8月に発生、時期を推定できないが、活動領域が広く、放浪性があると推察される。

トックリバチ類15種 フタオビドロバチ類12種

W519

U515-2

V815-1

V815-2

V815-3

スズバチ

S630

T904

 スズバチは体長25ミリ前後でドロバチとしては大きく、ドロバチの由来通り、路面で見かけることが多い。穴掘か、塩分でも食しているのか、人の存在も無視してとりついている。手持ちの図鑑によると、顔の斑紋が、メスはオレンジ色、オスは黄色に近いとされ、他に違いは記されていないが、複数の個体を比較してみると形状も、丸みと角ありの違いがある。

V622

V720

V721

V929-1

V929-2

V929-3

X823-1

X823-2

Xa01

スズバチ♂

S913-1

S913-2

 オスの顔の斑紋は個体差があり、黄色の度合いや形状も違いがある。撮影角度でも違って見えるので、ここで紹介している個体が全てオスとは言い切れない。ことによると、スズバチ以外の個体もあるかもしれない。ここで紹介している個体では、オスと推定したものは、顔だけでなく、肩の斑紋も黄色が強い傾向にある。

S904

T811

V720a-1

V720a-2

V720b

W714

Z908-1

Z908-2

フカイドロバチ

V707-1

V707-2

 フカイドロバチは数が少なく、出遭ったのは三度で、そのうち二度は一日違いで、同じ個体の可能性も考えられたが、写真を比較してみると違いがあり、別個体と判断した。活動領域について、広域で放浪性があると推察される。体長は20ミリ前後で大きく、色合いも目立つので見応えがある。2011年に出遭ってからは記録できていない。

V707-3

V708

W912

カバオビドロバチ

V708-1

V708-2

 V708の個体は腹部の斑紋からするとカバオビドロバチに間違いなさそうである。インターネットで検索しても画像はほとんど出てこないので、希少種になっていると思われる。情報が少ないのでオス、メスの違いは分からず、X817の個体もカバオビドロバチのオスとしたが、疑問が残る。体長は11〜14ミリでそれほど大きくない。

V708-3

X817-1♂?

X817-2

カバフスジドロバチ(和名ナミカバフドロバチ)

V805-1

 

V805-2

 荒川ではカバフスジドロバチの数は少なく、記録に残せたのは2010年にただ1度だけである。ここで掲載している写真は光線の加減で違った色に映り、別個体として何度も比較してみたが、斑紋は全て同型だった。他のドロバチの顔の斑紋例からすると、本種はオスと思われる。体長は15ミリに満たないようで、比較的小型である。

V805-3

V805-4

V805-5

オオカバフスジドロバチ(和名エントツドロバチ)

T616

X704

 ドロバチの写真を見直してみると、オオカバフスジドロバチは2008年を皮切りに、2012年は3度、2013年1度と、計5回も出遭っていた。体長18ミリ前後、ドロバチとしては大型で、見落としていたのが不思議なくらいである。出遭った場所は様々で、発生時期も6〜8月、正に神出鬼没であり、生態は全く分からない。

X817

X820

Y712

ミカドドロバチ?(ハート型)

T904-1

T904-2

 ミカドドロバチと思われる個体には、顔の斑紋が五角形(ハート型)の個体と、円で中抜けした(ドーナッツ型)個体が出てきた。図鑑では全く触れられておらず、オス、メスの違いか、それとも別種なのか判然としないが、両者とも個体差が小さく、雌雄と断定、ここではハート型の個体を並べてみた。尚、胸部(前伸腹節)の斑紋U字型は連結と分離がある。

U825-1

U825-2

V621

W706-1

W706-2

W713-1

W713-2

X618-1

X618-2

X725-1

X725-2

X725-3

X809

X811

X825 別種かもしれない?

ミカドドロバチ?(ドーナッツ型)

T827-1

T827-2

 ミカドドロバチと思われるものには、顔の斑紋がドーナッツ型の個体がおり、胸部(前伸腹節)の斑紋もメスとしたものと違ってU字型にはならず、二点(Wのようにも見える)となっている。腹部付け根側の太帯がメスに比べて細く、側面の羽上がりも不鮮明である。胸部下方(前伸腹節)の側面に一対の帯状の黄斑が見られる。

V706-1

V706-2

V706-3

V801

W721

X811-1

X811-2

Y619-1

Y619-2

ニセミカドドロバチ

W519

W630

 手持ちの図鑑によると、ミカドドロバチの近似種としてニセミカドドロバチの名前が出てきて、ミカドドロバチの違いとして「腹部第2腹板基部に凹条をもたない」「腹部第2背板後縁に薄板をもたない」とされているが顔の斑紋については触れていない。以上の事からここで紹介する個体をニセミカドドロバチと判断、類似したものが複数出てきた。

W713-1

W713-2

W713-3

Y603

Y610

Y610

ニセミカドドロバチ

V716-1

V716-2

 オスもメスで記したミカドドロバチとの違いに従って照合、オスの特徴である、前伸腹節の側面に帯状の黄斑が無いものが出てきたので、ニセミカドドロバチのオスと判断した。ミカドドロバチは2008年から記録しているが、ニセミカドドロバチとしたものは2010年からで、2年の違いに意味があるのか、現時点では分からない。

W804-1

W804-2

X817-1

X817-2

X903a

X903b